新幹線に各駅停車は必要ない
(Wiki)
新幹線の種別には各駅停車と中程度の列車、最速達タイプの3つがある。東海道新幹線でいえばこだま、ひかり、のぞみの3つがそうだ。のぞみは首都圏と名古屋・関西圏の大都市の駅にしか停車しない。
しかし私にはずっと疑問がある、それは新幹線に各駅停車が必要なのかということだ。新幹線とはそもそも在来線のバイパス路線であるから早くなければ意味がない。だが全駅に停まる新幹線は、当然それだけ遅くなる。こだまの場合、それに加えて後からやって来るひかりやのぞみの通過待ち合わせの停車も多い。
走行中は200km以上が出る新幹線だが、列車の運転区間を停車も含めた運転時間で割った「表定速度」は各駅停車は相当遅くなる。こだまの表定速度は132kmと、在来線特急最速サンダーバードの103kmに近づく。区間を限ればより遅くなり、上越新幹線たにがわの東京~高崎間なら105km程度しかなく、ほぼただの特急並みだ。
新幹線の存在意義は地方遠隔地と東京などの大都市間の移動にある。であれば、移動に時間がかかってしまえば意味がないと考える。少なくとも線路容量のひっ迫した東海道新幹線からこだまを廃止するべきだと私は考える。
安城市民は三河安城駅を利用しない
(Wiki)理由はこだまがあまりに遅いためである。安城市民が新幹線に乗る場合、もともとの中心駅である安城駅から快速で名古屋に出てからのぞみに乗った方が早い。これは大阪方面はもちろん東京に出るにも名古屋でUターンした方が早くなる。
名古屋の1つ先の岐阜羽島駅だって同様だ。岐阜の最寄りの新幹線駅として設置されたが、既存の岐阜駅からは名鉄で30分かかる上にのぞみは停まらない。だったら快速で20分の名古屋駅まで出てのぞみに乗った方が良くなるのだ。
こうした「宝の持ち腐れの駅」が日本全国にはいくらでもある。特に新幹線用に整備した新駅である場合、もともと市街地にある中心駅との行き来の手間があるので、だったら在来線で再速達停車駅に出た方が良いとなるのは自然なことだ。
区間ごとの通過駅分散を図るべき
(Wiki)ちなみにはやてが通過するいわて沼宮内駅は北海道新幹線開業前の新幹線最過疎駅だった。その代わりこちらの駅には奥津軽いまべつを通過するはやぶさが設定されている。このように利用に乏しい過疎駅であっても速達性を重視した列車を分散させるやり方は正しい。
東北新幹線では東京~新青森間の全駅を停車する各駅停車は存在せず、ほとんどの列車が区間ごとに通過駅を分けて遠近分離を行っている。だがこうしたやり方も正しいといえるのだろうか。新幹線は短距離で乗れば割高になる。東京と比べて所得の少ない東北の人がひと駅や数駅程度の移動に利用するだろうか。並行三セクの利用状況の活性化のためにも、並行路線に快速を設定するなどして通過駅を増やす工夫が必要と考える。
神奈川県民なら気づく小田原ひかりの必要性
(Wiki)一方で小田原のすぐ隣の熱海駅にも一部のひかりは停車するが、熱海に停まるひかりは小田原には停車しない。当然である。同駅間は在来線の普通列車でわずか23分で済むのだから、こだまに乗る価値もない。だが実際には毎時2~3本のこだまが存在しているため、速達列車の増発のボトルネックになっている。断崖絶壁の街の熱海には広い駅を作る用地がなかったため、通過線が設置できなかった。熱海にこだまが停まるたびに本線がふさがれてしまうのだ。
もしこだまがなかったらもっと柔軟なダイヤにできるはずだ。例えば小田原停車のひかりがそのまま名古屋から先も岐阜羽島や米原も通過する(つまりのぞみ型の停車パターンになる)なら関西方面の時短にもなる。すると新横浜や場合によっては品川からのぞみに乗っていた神奈川県民の何割かが小田原接続に転移し、利用状況の均衡化が図られる。一方で岐阜羽島や米原のために、名古屋から新横浜までノンストップのひかりがあってもいい。もっといえば2008年までは新横浜、品川を通過するひかりもあったんだから、新横浜を通過したってかまわないはずだ。
静岡県を走る東海道線には快速がなく、特急も伊豆や山梨に向かう列車がわずかな区間奏功するのみでほぼ存在しない。田舎のローカル線なので増発余地は幾らでもある。ここに快速や特急を充実させ、こだまの代替列車にすれば、静岡の地域輸送の問題もクリアすることができる。新幹線に各駅停車は必要ないのである。