おときた駿は東京都知事選に出馬すべきだ
#おときた駿さんを都知事選に
— おときた駿(日本維新の会 政調会長・衆議院東京1区支部長) (@otokita) May 27, 2024
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立憲民主党の蓮舫参院議員が東京都知事選に出馬表明した直後から、X上で「#おときた駿さんを都知事選に」というハッシュタグが盛んに拡散され、本人も反応している。
このハッシュタグは左派が広めたものであり、けっして音喜多氏を支持するつもりで作られたものではない。ようは音喜多氏が出馬すれば小池百合子都知事との票の奪い合いが起きて、蓮舫氏の当選確率を上げられるという目論見によるものだ。 人気リベラル政治家の蓮舫氏が都知事に勝利すれば、自民党の裏金問題などで低調気味の保守層がさらに弱体化し、政権交代の可能性が現実味を帯びてくる。
もちろん音喜多氏自身もそのような意図があることは承知済みのようで、「色んな思惑が悪魔合体」と形容しているが、現時点では出馬を明確に否定していない。音喜多氏はニコニコ動画の投稿者出身でSNS世論に人一倍敏感な政治家であるから、ネットを盛り上げてその気にさせれば「豚もおだてりゃ木に登る」の感覚で立ってしまうことはありえなくはないのである。
音喜多氏にとって東京地知事選出馬は悪くない話かもしれない。いま維新は万博問題で本場の大阪でも人気が落ちているし、国政では存在感が空気のような状態のままだ。岸田政権以降の維新は浮動票を立民からを奪って第一野党を目指したりもしたが、裏金問題が起きたあたりからは自民と一緒に否定されるようになり、替わりに立民に勢いが増している状態だ。音喜多氏自身のキャリアを考えるとこのまま維新の政調会長の座にとどまって党もろとも沈んでいくよりは、大勝負に出た方がいいともいえる。
また維新の党組織にとっても、悪い流れを変えるためのインパクトのある話題を発信できる好機である。維新はポピュリスト政党であり、「橋下劇場」のようなショーを常に作り続けることで成り立った政党だ。大阪の万博の悪評を東京で晴らすにはこれほど都合の良い場面はない。維新といえばかつて石原慎太郎元都知事が党の共同代表だったこともあるので、けっしてアウェイというわけでもない。
東京都民は平成以降の都知事選では常に「改革政治家」を選び続けた。都市博を中止させた青島幸男、国とケンカしながら環境規制問題を推し進めた石原慎太郎、都営地下鉄と東京メトロの境界をバカの壁と呼んでその解体に成功した猪瀬直樹など、規制政治を破壊するゲームチェンジャーを都民は常に求め続けている。イデオロギーでみれば青島は左翼、石原は右翼で、どれほど節操がないのかと驚いてしまうのだが、都民にとって選挙の判断基準は思想や党派の違いではないのだ。
小池知事も、突如として国政から転身し、五輪会場や市場の問題に口を挟んだことから変革を期待する世論によって支持されて当選した。だが、いずれも成果を出せず、掲げた公約もまるで達成していない。それでも前回の選挙で勝ち抜けたのは、主だった対抗馬が見当たらなかったからである。
選挙は選択肢が多い方がいい。蓮舫、小池、音喜多でそれぞれ改革合戦を競い合って、誰が本当に中身のある政策を掲げ、実行力があるかを直接都民に問うべきなのだ。音喜多氏や維新にとっても、都知事選は世論の要望に答えようと努力し汗を流すことで維新政治の「レベル上げ」ができる場面なのだ。