投稿

5月, 2024の投稿を表示しています

多摩モノレール延伸はほんとうに必要か

イメージ
  多摩都市モノレールの延伸計画が具体化🚟 延伸区間とされているのは上北台から箱根ヶ崎間の約7km。 武蔵村山市は都内の市区で唯一鉄道がなく、多摩都市モノレールの延伸によって、利便性の向上・都心方面からの転入者や来訪者を呼び込めることが期待されますね! https://t.co/5AHvCnmFW2 — 【公式】INUKIT! 居抜きオフィス専門サイト (@inukit_livex) May 9, 2024  就任以来8年間なにも実績がないと言われる小池百合子東京都知事だが、あえて挙げるなら多摩モノレールの延伸政策がある。これまで終点は東大和市の上北台駅だったが、武蔵村山市内を経由して瑞穂町の箱根ヶ崎駅まで延ばすというものだ。長年の間構想として存在していたが、「多摩格差ゼロ」を掲げる小池都政のもと具体化にこぎつけることができた。  上のポストでも指摘があるように、武蔵村山は市・区で唯一鉄道が存在しない。多摩地区における交通格差の解消策として住民に多くの利便性をもたらし、沿線活性化の起爆剤になるのではないかと期待されているようである。  しかし私には、この延伸が本当に必要かという疑問しかない。モノレールは建設費用がとても高く人口密集地でなければ成り立たない乗り物だが、 武蔵村山沿線は都内とはいえ田舎であるためペイできないのではないかという疑問である。 上北台駅前ですら畑だらけ  延伸ルートを検証した動画を見れば現地がどのような場所かがわかるはずだ。まず上北台駅でさえ駅周辺が畑だらけである。そして当然のこと、遠くになればなるほど、新青梅街道沿いでさえ畑だらけになっていく。一般にモノレールがあるような「郊外の住宅密集地」の印象とは大きく異なる風景だ。  上北台駅は1998年に開業し、四半世紀以上を経過している。都内のほかの地域であればこれくらい時間が経てばだいたいまわりは農地はとっくに消え、「駅前一等地」として建物で埋まっているはずだ。2008年に開業した足立区内の都営日暮里・舎人ライナー沿線も、それまでは孤立地域であったがもう畑はほとんどない。  だが多摩モノレールの場合、すでにある終着駅でさえこのままだということは、その先に伸びしろはほとんどないということである。そうした採算性の乏しさが事業化されなかった理由だろうが、いまこれをつくっても都民の税金の無駄遣...

おときた駿は東京都知事選に出馬すべきだ

#おときた駿さんを都知事選に ↑という色んな思惑が悪魔合体したハッシュタグがトレンド入りする今日このごろですが、新たな万博グッズがついにデビューです。私はこれで、国会内の視線を独り占めしました?! みんなで着て万博を盛り上げよう🔥 pic.twitter.com/NnXb5yeGRN — おときた駿(日本維新の会 政調会長・衆議院東京1区支部長) (@otokita) May 27, 2024  立憲民主党の蓮舫参院議員が東京都知事選に出馬表明した直後から、X上で「#おときた駿さんを都知事選に」というハッシュタグが盛んに拡散され、本人も反応している。  このハッシュタグは左派が広めたものであり、けっして音喜多氏を支持するつもりで作られたものではない。ようは音喜多氏が出馬すれば小池百合子都知事との票の奪い合いが起きて、蓮舫氏の当選確率を上げられるという目論見によるものだ。 人気リベラル政治家の蓮舫氏が都知事に勝利すれば、自民党の裏金問題などで低調気味の保守層がさらに弱体化し、政権交代の可能性が現実味を帯びてくる。  もちろん音喜多氏自身もそのような意図があることは承知済みのようで、「色んな思惑が悪魔合体」と形容しているが、現時点では出馬を明確に否定していない。音喜多氏はニコニコ動画の投稿者出身でSNS世論に人一倍敏感な政治家であるから、ネットを盛り上げてその気にさせれば「豚もおだてりゃ木に登る」の感覚で立ってしまうことはありえなくはないのである。  音喜多氏にとって東京地知事選出馬は悪くない話かもしれない。いま維新は万博問題で本場の大阪でも人気が落ちているし、国政では存在感が空気のような状態のままだ。岸田政権以降の維新は浮動票を立民からを奪って第一野党を目指したりもしたが、裏金問題が起きたあたりからは自民と一緒に否定されるようになり、替わりに立民に勢いが増している状態だ。音喜多氏自身のキャリアを考えるとこのまま維新の政調会長の座にとどまって党もろとも沈んでいくよりは、大勝負に出た方がいいともいえる。  また維新の党組織にとっても、悪い流れを変えるためのインパクトのある話題を発信できる好機である。維新はポピュリスト政党であり、「橋下劇場」のようなショーを常に作り続けることで成り立った政党だ。大阪の万博の悪評を東京で晴らすにはこれほど都合の良い場面はない。維新といえば...

東京23区は外周を独立させて効率化せよ

イメージ
   (Wiki)  東京一極集中が叫ばれて久しい。最新の統計で東京23区の人口は980万人を超えている。1995年には797万人だったから、たった30年で200万人近くのすさまじい増加を遂げたことになる。  多くの都民は日常的に「過密の弊害」を感じているはずだ。これだけの膨大な人口を抱える都市は世界的にも珍しいが、都区部は行政サービスが著しく低いのも事実だ。区の上に「市」が存在しないため、本来市役所で行うような業務を東京都庁で一括管理するか、通常の市よりも権限の小さな特別区役所でやらなければいけないのである。  都庁にしてみれば、奥多摩や伊豆諸島を含む都全体の面倒を見た上で都区部地域の市役所の役割を同時に担うのはあまりに煩雑なことだ。一方区役所は区役所で問題がある。世田谷区なんて94万区民という政令指定都市レベルの人口を抱えているのに 「村以下の権限」 しかないために都市計画も作れない。都庁も区役所も厳しい運営が強いられていて、何よりそこに住む都区部民にとっても住みづらいという 誰も得しない現状 がある。東京は過疎地方と違って一番豊かな恵まれている地域だと思われがちだが、東京にしかない苦労もあるのだ。  そこで私は東京は、23区があまりに多すぎるので外周部を独立させるべきだと考えている。今東京に必要なのは分離独立である。 江戸川・葛飾は千葉県に、足立は埼玉県にせよ  たとえば都県境の3区を死として独立した上で隣接県に編入させるべきである。江戸川、葛飾区は千葉県の江戸川市・葛飾市として、足立区は埼玉県足立市にするのはどうだろうか。  考えてほしい。筆者の住む神奈川県もそうだが、東京の圏ベッドタウンは都県境を越えて周辺県に及んでいる。私は神奈川が東京都じゃなくて不便だったためしは一度もない。郊外の家に住んで都心に通う多くの首都圏民にとっては、通勤に便利な郊外環境があれば住む県がどこであろうと関係ないことなのである。「都区部」という不安定な地位から脱することではるかに生活が良くなるんなら東京都から独立しても構わないはずだ。  これらの3区は、ほかと違い荒川の外側に位置している。東北本線・東北新幹線であれば荒川はちょうど東京と埼玉の都県境になっていて、神奈川との間でいう多摩川に相当する境界の河川だ。ここが歴史的に見ても文化的な分水嶺になっているから都県境をずらすべ...

「京都市バス」は抜本的に見直すべき

イメージ
  (Wiki)  京都市営バスが大変なことになっているという。コロナ渦がひと段落付いたことで外国人観光客が殺到し、連日地元の人が乗り込めない事態になっている。それでもバス業界の人手不足問題からこれ以上の増発は困難。しかも財政危機の京都市において、これだけ大勢の客が集まっているように見える市バス事業も赤字路線だらけだという。  明らかに破綻している。 京都の市バスの効率化のためには抜本的なバスシステムの見直しが必要である。 筆者も去年の夏に京都を訪れ、何度かバスにも乗ったが、そのうえで以下のような転換策を提案したい。 鉄道重複区間のバスをすべて廃止せよ  まず今すぐにでもやるべきことが電車と経路の被ったバス路線の見直しである。京都ではバスは大混雑する一方、地下鉄は活用されておらず深刻な赤字経営である。しかし1編成につき600人~800人以上以上運べる地下鉄と1台80人が限界のバスでは明らかにバスのほうが輸送力があるほか、速度が速く渋滞もないので目的地により早く行ける。  それなのに京都では地下鉄と重複する路線バスがあまりに多いく、土地勘のない観光客は手っ取り早いバスを選択しがちである。たとえば京都駅から金閣寺に行く場合、地下鉄で北大路駅まで出てからバスに乗った方が早いし混まないのだが、行き先表示に「金閣寺」と書いてある205系統に多くの人が集中してしまうのである。しかも京都のバスは統一料金なので、全国で最も高い地下鉄代+バス代よりも初乗り運賃だけで行ける205系統が混んでいようが支持されてしまうのである。 (Wiki)  そして京都市内の鉄道は地下鉄ではない。京都市内にはJRはもちろん京阪や阪急といった私鉄があるのだから、これらの鉄道駅と被っているバス路線は原則廃止させ、電車のみの移動または最寄り駅からバスに乗り換えるやり方を徹底するべきである。 経路を集中させ、連接バスを導入せよ   そしてバスだけが走る経路にも改革の余地がある。 京都市バスの路線図 を見るとあまりにバス路線が多くて驚いてしまう。京都は「碁盤の目」と呼ばれる街割りで有名だが、その全部の道路にバス路線を走らせているかのような勢いがある。京都市民でも覚えきれないだろう。ハッキリ言って路線網が煩雑すぎるのである。  京都以外なら大都市の市街地であってもタテ移動、ヨコ移動などの主要な幹線道路はだい...

石丸市長は都知事になるかもしれない

イメージ
   広島県・安芸高田市の石丸伸二市長が次の都知事選に出馬するという。石丸氏といえばネットの有名人だ。民間出身の若手市長で、長老だらけで凝り固まった田舎議会と激しいバトルを繰り広げる様子が動画で切り抜かれ、SNSで人気を集めている。  私はもしかすれば石丸市長は東京都知事に当選するのではないかと考える。石丸氏を応援しているのは旧ライブドア創業者の堀江貴文氏や2chの西村博之氏といった「ネット的なる人たち」である。政治といえば右か左か、自民か革新野党かの二項対立の図式に陥りがちだが、 東京の政治にはもう一極が存在 しているのだ。  先の東京15区衆院補選で「五体不満足」の乙武洋匡氏が出馬した時も、西村氏は乙武氏の応援演説に駆け付けた。小池知事の創設した都民ファーストの会と国民民主党が推薦。結果は惜しくも敗北したが、なんとなしに一定の政治的潮流が見えて来ないか。乙武氏は政治家を志す前からネット上のインフルエンサーであるし、小池知事といっしょに乙武氏を応援した国民民主党の玉木雄一郎党首も、ネット配信を重視する人で西村氏ともたびたびコラボをしている。そして、国民民主党とはそもそも小池新党が一瞬立ち上げた「希望の党」を前身とする政党である。  安倍晋三元首相を熱烈支持した「ネトウヨ」とか、アベを倒せ、野党は共闘と盛り上がったリベラルとは違う、「ネット政治」的なる層というものが確実に存在する。そのことについて、保守も、革新も、そして石丸市長待望論者も認識するべきではないだろうか。 細川→小池→石丸という流れ  リベラル派は小池知事を保守ととらえているが実は違う。2016年の初当選時、当時の自民党は「増田リポート」で知られる増田寛也(現日本郵政社長)を推薦し、小池氏と争った。そしてその前の舛添要一前知事は、ネトウヨから鬼のように叩かれまくったが実は舛添氏は自民党推薦だった。中央政治の保革対立の図式は都知事選には必ずしも当てはまらないのである。  そして舛添前知事の当選した2014年の都知事選、奇妙な現象があった。「左」は宇都宮健児弁護士を推したが、それとは別に政界をとうに引退して隠居生活をしていた細川護熙元首相が出馬したのだ。当時の政局とかを考えると全く奇妙な現象だった。細川氏はインターネットに全く疎そうな高齢者であるにもかかわらず、急にTwitterを始めたり、凝ったネ...

地方都市は人口が減っているのではなく周辺分散している

イメージ
    (Wiki)  山梨県甲府市は人口20万人に満たない。 市によると1985年の21万人近くに上ったのがピーク で、その後は下落の一途をたどっているようだ。県庁所在地としては鳥取市に次ぎワースト2位である。山梨県は典型的な県都一極集中で、県内に甲府に肩を並べる都市はほかにはない。  というと、「山梨そのものが衰退しているのだ」と誰もが思うだろう。しかし現実にはそれも違う。最新の人口統計によると、山梨県内では甲斐市、南アルプス市、昭和町、富士河口湖町で人口は増えている。うち甲斐市と昭和町は甲府のすぐとなり、南アルプス市は甲斐市を挟んだ隣の隣である。  この事実からわかることは甲府に集中していた人口が近隣自治体に分散しているということである。昭和町にはイオンモールがあり、買い物や余暇のために多くの人が集まる場所だ。一方で、甲府の駅前中心街は百貨店が閉じてシャッター化の傾向にある。甲府の市域の中だけをピンポイントに見れば衰退しているが、 現実に起きていることは郊外化なのである。市街地近隣に住む暮らしから、より町はずれに住宅地区の軸が移り、やがて市境を越えて近隣市町に広がった ということだ。   (Wiki)  また冒頭に人口ワースト県都が鳥取市であると伝えたが、鳥取市は確かに人が減っているが、鳥取県においては県西の日吉津村で人口が増えている。この日吉津村にはイオンモールが1999年に開業し、県境を挟んだ島根県松江市方面からも多く集客しているという。松江から日吉津は30km圏で、マイカーで行き来すれば実質的に同じ生活圏なのだ。松江市も同様に人口が減っており、3年前に対に20万割れとなっているが、地域全体を面的にとらえればその見え方は変わるはずだ。  地方の問題を論ずるとき、その多くは都道府県や市町村といった自治体単位での言及になりがちだ。だが実際には県庁所在地クラスの都市で起きていることは都市圏の膨張である。そういう現象が、21世紀に入ってから顕著になっているのである。 「奇跡の村」はだいたいただの郊外  富山県舟橋村は、 平成以降の人口増加の傾向から「奇跡の村」 と呼ばれている。多くの村が過疎に悩み、県庁所在地都市でさえ斜陽化する中、田舎県の村なのに人が増えるのはスゴイということだ。いまも人口増加率は好調だ。  だがその実態はただのベッドタウンなのである。村...

敦賀駅問題で減ったサンダーバード利用者を増やす方法

イメージ
(Wiki)  先日のゴールデンウイークは3月に北陸新幹線が敦賀に延伸開業して以降、初の大型連休だった。敦賀止まりとなった特急「サンダーバード」の利用者は 前年比10%減に落ち込んだ と報じられている。去年までは新型コロナウイルスの影響があったこと、ことしは旅行や行楽が活発になっていることを考えれば、本来なら増えていなければおかしくない。数字以上のサンダーバード離れが起きているということではないか。  理由は乗り換えの手間が敬遠されているということだ。これまでは大阪から北陸の中心都市・金沢まで1本で直通していたが、敦賀で新幹線と乗り換える手間が発生したことが心理的なためらいをもたらしているようである。ちなみに名古屋を結ぶ特急「しらさぎ」に至っては 旅客が半減 している。かわりに 名古屋~福井を結ぶ高速バス が人気を集めるようになり、所要時間は長くなろうとも座りっぱなしで一本で目的地に向かう高速バスに軍配が上がっている。  このまま北陸特急は衰退の一途をたどるのか。私は減った利用客を増やすには特急の 停車駅と運行区間の見直し しか方法はないと考える。以下の現象がそのヒントになる。 利用者増えた新快速 想像以上に敦賀駅でサンダーバード乗らず、新快速に乗り換える需要があることが分かった。。 #北陸新幹線 pic.twitter.com/p3UvEzxMLO — なかばやし (@oh22s) May 6, 2024  実はこのゴールデンウイークで新しい光景が見られた。それがUターンラッシュの敦賀駅で関西方面への新快速を待つ行列が発生したことである。新快速は関東で言う湘南新宿ライン特別快速のような東海道線直通の速達列車で、最高速度は130kmと湘南新宿ラインよりも早い。その北側の最果てが敦賀駅だった。  すべての人がサンダーバードの停車駅が最寄りというわけではない。たとえば高槻駅は停車する列車が少ないので、手前の京都で新快速に乗り換える必要がある。だったらそのまま乗り続けたほうがいいので、時間がかかってでも新快速で一本で行けるならそれにこしたことはないのである。  巷で言うように「敦賀で乗り換え1回が発生したこと」が原因ではないということではないか。 1回くらいなら我慢できる乗り換えが2回になったことで客離れが起きた というのが私の考えだ。 (Wiki)  であればサンダ...

「みどりの窓口潰し問題」の本質は地域特性無視だ!

イメージ
   いま急速な勢いで駅の「みどりの窓口」の廃止ラッシュを続けているJR東日本。しかし混雑や混乱が起きていることから、廃止をいったんとりやめ一部には復活も検討するという。  JRの窓口潰しには「えきねっと」による切符のネット販売の普及する中、将来的な人口減を見据えた合理化をする狙いがある。その方向性自体は私も正しいとは思う。しかし窓口閉鎖が性急すぎる。だいたいの駅では窓口を閉じるかわりに特急券や定期券を購入できる自動券売機を充実しているが、窓口だけ閉じて替わりの券売機を設置しない駅も多いし、障がい者対応など窓口でなければできないサービスもある。高齢者や外国人観光客などえきねっとを使えない人も多い。そうすると、最寄りの窓口が残る駅に客が殺到し、混雑が起きる。  一連の問題の本質は 駅のある地域性を無視し、十把一絡げに削減をしていること にある。私はこの姿勢こそ改めるべきだと強く考える。 小さな海老名駅の窓口がなぜ混むのか (Wiki)  筆者の住む神奈川県内でも窓口の混雑が顕著になっている。たとえば相模線の海老名駅では、1つしかない窓口に平日の昼間でも行列ができている。相模線は単線・4両編成の「神奈川のローカル線」で、海老名はターミナルとはいえ人口14万人の小さな市だ。だからこそ1つの窓口で十分というのがJRの感覚なのだろうが、明らかに足りていないのである。  相模線でも2007年の北茅ヶ崎駅のみどりの窓口廃止以降、多くの駅でみどりの窓口や長距離乗車券・指定券などを発売する出札窓口が廃止された。これにより、沿線民が最寄のターミナルの海老名駅に集中するようになったが、理由はそれだけではない。  海老名駅は県央を走る私鉄の乗り換えターミナル駅で、小田急では座間市や厚木市、相鉄では大和市方面からの来客もある。私鉄の駅には元々みどりの窓口は存在しないので、私鉄沿線民が新幹線の切符を買う時などは必然的に海老名駅に集まるようになるのだ。とくに相鉄の新横浜直通開始以降、このニーズは高まっている(余談だが新横浜駅さえも2007年にみどりの窓口を閉じている)。厚木市、大和市は20万都市で、そこに座間市を含めれば73万人の沿線人口がある。 相模線沿線に加えて73万人分の需要をたった1つの窓口で裁けば、そりゃ混む のである。  県央に土地勘がある人ならご承知だろうが、海老名には駅直...

なぜ多度大社に碧志摩メグがいたらおかしいのか

イメージ
乳袋大好きマンたちが怒ってクソリプしてくる...🥺 — 吉田あやか🕊三重県議会日本共産党 (@ayaka_comrade3) May 5, 2024  共産党の吉田あやか三重県議のツイートが炎上している。県内の多度大社に碧志摩メグのパネルが設置されていることに「多度大社と関係なさすぎんか」とツッコミを入れたところ、オタク・ネトウヨの猛反発を招いたそうだ。  オタク・ネトウヨは「三重の神社に三重のご当地キャラがいることの何がおかしいんだ!」「そうやって規制するつもりか!」という脊髄反射的な反応が目立つ。いわゆる「表現の自由戦士」と呼ばれるものだ。しかし吉田県議は碧志摩メグの撤去までを訴えたわけではない。ただたんに違和感を表明しただけでしかなく、過剰反応だ。  筆者は三重県に行ったことがある。その経験からすれば、吉田県議の反応は極めて当たり前だとわかる。 多度大社から志摩は100km以上も先の「外国」  まず多度大社があるのは桑名市、一方で、碧志摩メグは志摩市のご当地キャラクターだ。どちらも三重県ではあるが、その場所は大きく違う。  まず多度大社といえば「上げ馬神事」で有名な神社だが、その所在地は桑名市だ。すぐそばに木曽三川が流れ、川向うは愛知県だ。桑名市は名古屋の中心街までは直線距離で20kmちょっとという場所である。三重に疎い多くの日本人は「三重県=関西地方」という教科書的図式でとらえがちだが、 じつは県北は名古屋のベッドタウンであり、事実上の東海地方 である。筆者も三重の友人の地元に行くときに名古屋駅から急行電車に乗らされる瞬間まで、そのことに気づかなかった。 (Wiki)  一方で名古屋から遠ざかるほど、特に県都の津市より遠くになるほど関西の文化圏になる。志摩市は南側にあり、桑名から志摩までの距離はなんと100kmも離れている。多度大社は名古屋観光のついでに行けるが、志摩なら現地に泊まる方が一般的だ。なんせ同じ県内とはいえ 桑名から志摩までは100km以上離れている。 ちなみに志摩から名古屋も大阪も直線距離は同じ120kmなので、ここまで来ると最寄りの大都市は名古屋ではなくもっと都会の大阪の求心力が大きくなる。歴史的にも志摩は志摩国で桑名とは「外国」だった。  ちなみに東京からだと静岡県の沼津が100km先だ。神奈川を飛び越えた東海地方だ。つまり、多度大社...